2023年4月15日から4月23日まで、ハノイ(ベトナム)~ラオス北部~チェンマイ(タイ)9日間バス旅の記録。
旅に至った経緯についてはこちら
前回の記事
ベトナム~ラオス 陸路国境越え
ベトナムからラオス、陸路国境越え。Tay Trang - Pang Hok ボーダー。イミグレーション、両替。
https://www.mysoulcafe.net/2023/05/blog-post_16.html
の続き。
4月17日 月曜日
ハノイからディエンビエンフーに着いたその足で国際バスに乗り込み、山道をひた走ること約4時間。予定通り、同日ラオス・ムアンクアに到着。
ムアンクアへ来たのは初めてだったけど、ここは私の期待を遥かに上回っていた。
山と川に囲まれているせいか、どことなく昔のバンビエンに雰囲気が似ている。
ビエンチャンからアクセスも良いバンビエンは、今やお店も沢山できていて観光客で賑わっているけど、昔はホントに何にもなかった。
仲良くなった旅行者たちと一緒にご飯食べて、「じゃあ、またねー」と言って解散して10分も経たないうちに同じメンバーとまた出会う、っていうくらいほんとに何もないところだった。
このムアンクアには、そんな懐かしい頃のラオスの雰囲気が色濃く漂っている。
ガイドブックに載っていない町、ムアンクア
ムアンクアはラオスの北の方にある。
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赤丸のところ |
もう少し広域で見てみると、
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☆印の所らへん |
ここからボートでムアンゴイやノンキャウへ行くこともできるので、小さい町ながらムアンクアに立ち寄る外国人ツーリストは意外に多い。
その割に、最新版の地球の歩き方には載っていない。 まぁ、ガイドブック必要ないくらい小さい町だけど。
ムアンクアで宿探し
ムアンクアに着いたのは、お昼の13時頃。
バスの運ちゃん達がベトナムから積んできた荷物を下ろしている間にGoogleマップで現在地確認していたら、そこがムアンクアだった。ムアンクアに着く前に一回は休憩あるやろうと思っていたので、かなりの不意打ちだった。そして、期待していた両替もできなかった。
バスの運ちゃんは何も言ってくれないし、気づかなかったらルアンパバンまで連れていかれていたのだろうか。
とにかく、慌ててバスを降りる。
まずは今夜の寝床探し。グーグルマップ情報では宿は数件しかなさそうなので、取りあえず川の景色が見えそうな宿を目指して歩く。
メインストリートは一本道なので迷いようがないはず....が、しばらく歩いていると、なんだかどんどん人里離れた場所のような、寂しい風景になっていく。何かがおかしい。
もう一度グーグルマップで宿のある場所を確認すると、どうやら曲がらなくてはいけない道を見過ごしてしまっていたようだった。 マップで確認しながら歩いていたので道を間違えるという、何とも本末転倒な結果になってしまった。 すごすごと今来た道を戻る。
緩い下り坂になった道を歩いていくと、すぐにそれと分かる建物を発見。
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本日のお宿 |
フロントの女の子に、部屋を見せて欲しいとお願いする。ついでにリバービューをリクエスト。因みに会話の90%はグーグル翻訳。外国人にも人気の宿のようだけど、英語は殆ど通じない。
案内してもらったリバービューの部屋は100,000キープ。一目で気に入ったので即決する。
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目の前はナムウー川 |
部屋をキープしたはいいけど、実は私、お金を持っていない。ベトナムのイミグレで両替しそびれて以降、休憩なしでここまで来てしまったので、まだ両替ができていないのだ。
そんな訳なので、再びグーグル翻訳を駆使して、部屋代は後で払うから両替できるところ教えてって女の子に聞いてみる。
ムアンクアの両替事情
女の子の返事は一言「ATM」。さっきバスを降りたところの目の前にあったATMが、唯一ラオスキープを手に入れる手段のようだ。
スマホ経由の会話では、これ以上の情報の取得は困難だと判断し、取りあえず来た道をまた戻ってATMへ向かう。
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メインストリートにある唯一のATM |
不要になったベトナムドンを何とか両替したかったので、ひとまずここで必要最小限だけ降ろすことにした。
このATMでは一回につき30,000キープの手数料がかかる。しかし、メインストリート周辺にはこれ一台しかないらしい。ATMの前は銀行のようだが、平日なのに閉まっている。その後いつ通ってもドアが開くことはなかったので、休憩時間という訳でもなさそう。
お金が手に入ったので、まずは食事ができるところを探す。
宿の数件隣にリバービューのレストランがあった。表にメニューは出ているけど、中は真っ暗で誰もいない。
あきらめてさらに進むと、宴会中みたいに沢山人が集まって食事をしている家があった。食堂なのか民家なのか分からずそのまま通り過ぎようとすると、一人のおじさんが中から飛び出してきた。「ボート?」と聞かれたので、「ボートには乗らない」と言うと、「もしボート乗るならまたここへおいで」と言って中へ戻っていった。
更に川の方へ向かうと、ボート乗り場の前にウォーターフロントのレストランがあった。覗いてみると、ここも無人。目の前の川では子供たちが水遊びをしている。気持ちよさそう。
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乾季のラオスは北部でも暑い
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宿の周辺の食堂はどこも開いている様子がないので、諦めてグーグルマップに載っている、この周辺では一番大きそうなスーパーっぽい店に行ってみることにする。その土地の物価を知るには、スーパーのような店が一番手っ取り早い。
町のメインストリートからバスの通る幹線道路に出て、(多分)ディエンビエンフーからバスが通って来た道をてくてく歩く。
大きな橋を渡ったところに食べ物屋台が数件営業していた。ここはナイトマーケットらしく、昼間はまだ閑散としている。
そこを通り過ぎ、さらに20分くらい歩いたところに、ATMがあった。
こ、これはラオスで一番手数料の安いBCELのATMではないか!! 情報収集不足による痛恨の凡ミス...。ATMの前の建物はBCELの銀行のようだけど、ここも閉まっていた。
メインストリートからはちょっと遠いけど、手数料を節約したい人はこちらのATMを使うとよろしいかと思う。
そして、目指すスーパーはこのATMのもう少し先にあるのだが...。
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ムアンクアのミニマート |
はい、閉まってました。とんだ無駄足です。
そして、元来た道をまた引き返す。
両替をやっているお店は、大体店のショーケースに外貨が置いてあったりするのだけど、メインストリートではそのような店は見当たらなかった。
ラオスでは国の施策により、民間の両替所が閉鎖になったとのニュースがあったけど、その影響もあるのかもしれない。大っぴらにはやってなくても、探せばどこかあるかもしれないけど、ムアンクアでの滞在予定は今日一日だけなので、両替のために時間を費やすのも惜しいので、諦めた。
ムアンクアの食事
暑いし、いいかげん疲れてきたなーと思っているところに、アイスクリーム屋を発見。美味しそう🤤 甘い誘惑にフラフラと吸い寄せられる。
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ラオス入りして初めての食べ物 |
ちゃんとスクープしてくれるアイスクリーム屋さん。何となくバニラっぽいのを指さし注文したら、匂いからしてドリアンだった。美味。これで5000キープ≒40円。
暑い時のアイスはこの上なく美味しいのだが、後から喉が渇くのが難点。アイス休憩の後、再び歩き出すと激しく喉が渇いてきた。メインストリートまでの道のりが来た時より遠く感じる。
アイスは食べたけど、ハノイの空港でフォーを食べて以来、まともな食事をしていなかったので、こんどはちゃんとした食事を求めて、メインストリートにあるバスを降りたところ、ATMの向いの食堂までなんとか辿り着く。バス通りからメインストリートに入る曲がり角にあるこの店は、その名も「コーナー」と言うらしい。そのまんま。
外国人が食事できるところは限られているせいか、ここのお姉さんは英語が堪能。この時も外国人ツーリストが二組食事をしていた。
メニューを開くと同時に、「今日はオンリーヌードル」とお姉さん。数日ぶりのまともな食事だったので、私としては米が食べたいところだったのだが。
旧正月で仕入れができず、麺しか用意できないとのことなので、仕方なくトマト&卵ヌードルを卵抜きで注文。水を宿に置いてきてしまったので、待ってる間に冷蔵庫を物色してサイダーを買う。普段この類のものは極力控えているのだけど、喉がカラカラで我慢できなかった。
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ラオス初の食事 トマト&卵ヌードル、卵抜き。 |
トマトと刻んだ菜っ葉だけのヌードルは、あっさりしていて美味しかった。お会計30、000キープだったけど、サイダーの分忘れてないか?
後になって、ここのお姉さんに両替のこと聞けば良かったと思ったけど、お腹が満たされてこの時はすっかり忘れてた。
ムアンクアのメインイベント
食事が済んだら、少しは観光もしておこうと、ムアンクアで一番の見どころに行ってみた。
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食堂から徒歩1分くらいの所にある吊り橋 |
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吊り橋からの眺め |
ただの橋なのだが、グーグルマップの口コミではやたら評判がいい。たしかに、他に見どころもないし、町一番のアトラクションと言えばそうなんだろうけど。
橋は結構頑丈にできていて、渡るスリルとかも特にないけど、眺めは良い。
対岸はただの民家。レストランらしきものが一軒あったけど、休業中なのか開店前なのか営業している様子はなかった。ゲストハウスも一軒あるらしく、水シャワーのみで60,000キープらしい。景色は良さそう。
橋を一往復したら、他にすることもないので、一旦宿に戻る。
途中、蚊取り線香とバナナを買った。大きい声では言えないが、実は以前一度デング熱にかかったことがある。以来、蚊にはかなり神経質になっている。デング熱は2度目以降は重症化しやすいらしいので、もう殺生はよくないとか言っている場合ではないのだ。
そして、宿に戻って一休み。
部屋の前のテラスは共同だけど、飲み水や湯沸かしポット、お茶、コーヒー、食器類やナイフなども自由に使えるようになっているので、簡単な食事なら食糧を買ってきてここで済ませられそう。
ポンサリーのお茶が置いてあるのが嬉しい❤
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左:ポンサリー 右:ベトナム のお茶 |
コーヒーを飲みながら、まったり過ごす。(お茶は後で頂きました。)
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テラスからの眺め。ムアンクアでは川が全て。 |
しばらく休んだところで、こんどは翌日のバスの情報収集に出かける。滞在日数1日しかないので、何気に忙しい。
ムアンクアインフォメーション
町の中心部にはインフォメーションセンターがある。何せ短いメインストリートなので、もうすでに何回も前を通っているのだが、何度行っても人がいる気配がない。時間をずらせば誰かいるかも、と思って夕方にもう一度行ってみたけど、やはり無人。
一応、建物には張り紙があって、全ての情報はここに集約されている。
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インフォメーションセンター |
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バスとボートの時刻&料金表 |
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| 見どころマップ |
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翌日向かう予定のポンサリーへは、時刻表では8:30AM と10:00AMの2便のバスがあることになっている。
バスの発着場所は宿の女の子に聞いていたので、一応事前調査に行ってみたけど、それらしき場所にはみかん売りのトラックがあるだけで、チケット売り場らしきものは見当たらない。
余談だけど、ベトナムからのバスにはみかんがどっさり積まれていて、ここで荷下ろししていたので、ムアンクアで売られているみかんは多分ベトナムから来たものだと思われる。
バスはまた朝行けば何とかなるだろう。
ちょっと早いけど夕食にしようと、再びボート乗り場の方へ行ってみる。
表にメニューの出ている店は、相変わらず真っ暗で誰もいる様子がない。
その少し先に、一度目に来た時には気づかなかったレストランがあった。ひとまず素通りして、ウォーターフロントレストランの方に行ってみる。
団体客が一組テーブルについていたので、営業はしているようだ。
カウンターにメニューが置いてあったので見てみると、チャーハンやヌードルなど、ごく一般的なメニューが並んでいる。
厨房では子供たちが忙しく働いていた。フライドポテトを揚げているのも子供。大人の姿が見当たらない。
一番年長っぽい男の子に、フライドライスはできるか?と聞いてみると、困った顔をして中にいた女の子たちに助けを求めるような視線を送っていた。
ワラワラと厨房にいた子供たちが集まってきたので、今度はボスっぽい風格の女の子にメニューを指さしてみる。どうやら、フライドライス食べたいという意向は伝わったようだが、今度はどこかに電話をかけ始めた。親に聞くのかな?相手が電話にでないようで、何度もかけ直している。
何か、フライドライス一つでエライ大事になって、だんだん子供たちが気の毒になってきたので、身振り手振りで「もういらないからいいよ」と伝えてその場を去った。
さっき素通りしたレストランに戻る。中で飲み物を飲んでいる外国人が見えたので、入ってみる。席に着く前にメニューを見せてもらっていると、ここでもワラワラと人が集まってきた。こんなに囲まれたら、誰にオーダーすればいいんだ?と思っていると、見物して満足したのか、一人を除いてみんなどこかへ立ち去って行った。何だったんだろう。
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パイナップルシェイク |
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豆腐とトマト炒め&ライス |
結局、夕飯はこの店で食べた。他に選択肢もなかったし、米があったから(笑)
本当に久々に、ちゃんとしたご飯とおかずの食事ができて大満足! 昼に続きまたトマトだけど、暑いから酸味が欲しくなるのかも。豆腐とトマトという間違いない組み合わせ。不味いわけがない。
私の計算では合計で43,000キープのお会計だったけど、何故か40,000キープだった。
大満足で宿に戻り、ポンサリーのお茶を頂きながら、一日を締めくくる。
ムアンクアのバス情報
翌朝早めに起床して、日課のヨガの練習を終えてから、早速今日乗るバスの調査に出かけた。
一番早くて7時出発のバスが時刻表に載っていたので、6時頃行けばチケット売り場が開いているかもしれないと思い、6時過ぎに宿を出た。
メインストリートに差し掛かったところで、托鉢に出会う。これを見ると、あぁラオスに来たなーとしみじみ思う。
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ラオスらしい風景 |
この道を右へ真っすぐ進んだところにお寺があるらしい。最初に間違えて途中で引き返した道だけど、お寺までは遠そうだったので行かなかった。
通り道の朝市に寄り道してみると、準備中の店も多くまだ半分も開いていない。
人通りの少ないメインストリートを歩いてバスターミナルへ行くと、昨日の風景と全く変わらず、バスも停まっていなければ、チケットの窓口らしきものも見当たらない。仕方が無いので、一度宿へ帰って後ほどまた出直すことにした。
宿でコーヒーと昨日買ったバナナで軽い朝食を取った後、荷造りをしていつでも出発できるように準備しておいた。ラオスの時刻表は当てにならないということは、身を持って知っているから。
7時前に再びバスターミナルへ行くと、ようやくバスチケットの販売が始まっていた。
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一見するとただの果物屋台なバスターミナル |
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奥の小屋でチケット売ってるよ |
ポンサリー行のチケットを買いたいと言うと、パクナムノイというところで乗り換える必要があり、ここではパクナムノイまでのチケットしか買えないと言うので、パクナムノイまでのチケットを買った。パクナムノイまで50,000キープ。
チケット売り場の前に座っている、係の人なのかただの暇な人なのかわからないおじさんに、8時半出発だから8時ごろにまた来いと言われる。
帰り道、再び市場に寄ってみると、大半のお店がオープンしていたけど、特に買うものもないので一周してまた宿に戻る。
少し早いかと思ったが、8時丁度位にバス乗り場へ着くように部屋を出た。
バスターミナルに向かって歩いていると、何台かのミニバスが停まっているのが見えた。時刻表によると、8:30~9:00頃出発の便が多いようなので、同じ時間に集中するのだろう。
近づくと、さっき切符売り場の前にいたおじさんが、「早く、早く」と言わんばかりに手招きをしている。
先頭に停まっているバスを指して、「お前のバスはそれだ」と言うので、運転手に「パクナムノイ?」と再確認するとそうだと言う。8:30出発のはずがもうすでにほぼ満席で、今にも出発しそうな勢い。バスに乗り込み、小さな子供が座っていた席を空けてもらって、何とか座れた。子供はお母さんの膝の上へ。
私が乗り込んでから5分ほどでバスは出発した。こういうところが、やっぱりラオスっぽい。早めに来てよかった。
つづく。
まとめ
ムアンクア滞在中の費用
・宿代:100,000キープ≒800円
・食事代(アイス、バナナ他おやつ含む):88,000キープ≒700円
・蚊取り線香:10,000キープ≒80円
・パクナムノイ行バス代:50,000キープ≒400円
合計 248,000キープ≒2000円
※換算レートは為替レートを参考にしてますが、両替レートによって誤差あります
ムアンクアのメインストリートにATMが一台ある。手数料30000キープ。手数料節約したい場合は、街からはなれたBCELのATMへ。公に営業している両替商はない。
ベジタリアンの食事が難しいラオスでは、トマト、豆腐を使った料理がおススメ。
バスのチケットは朝7時頃から販売開始。
2023年4月18日時点では、ポンサリー行の直通バスはなく、パクナムノイで乗り換え要。
バスの時刻は変動あり。予定より早く出発することもあるので、チケット買うとき再度確認+余裕を持ってバス乗り場へ行くと良い。
雑記
昔バックパッカーをしていたこともあり、色んな国に行ってみたけど、一番好きな国はどこかと聞かれると、真っ先にラオスが浮かぶ。
なんでそんなにラオスが好きなの?とよく聞かれるけど、ラオスの魅力と言えば何といっても「何にもないところ」。この退屈なくらい何もないところが、私にとっては最高に居心地がいい。
もちろん、ラオスも経済発展を遂げ、ヴィエンチャンなんかはすっかり都会になってしまったし、ムアンクアのような田舎にもATMはあるし、道路は舗装され、鉄道も通ってすっかり便利になっているし、ラオスの人たちにとってもそれは喜ばしいことだとは理解している。
きっと、「何もないラオス」を懐かしむことも、変わってほしくないと願うこともただの旅行者のエゴでしかないのだろう。
それでもやっぱり、「ラオスっていいなー」と思わせてくれる、何もない町ムアンクアなのだった。 次来るときは何日か泊まって、もっとゆっくりしたい。
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