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4月22日 土曜日
今回の旅も残すところあと2日。ファイサイから友好橋を渡り、難なくタイに入国。国境の街チェンコンから本日中にチェンマイ到着を目指す。
タイ側イミグレーションと両替
入国審査の順番が回ってくると、朝からハイテンションの係官のおじさんが「ジャパニーズ?」「オハヨウ、アリガト、オイシーイ!!」といきなり知っている日本語を連発。
”おはよう””ありがとう”は分かるけど、”おいしーい”はいらんやろと心の中で突っ込みながら苦笑いしていると、自慢げに「アイ スピーク ジャパニーズ」と言って「オハヨウ、アリガト、オイシーイ!!」をドヤ顔で繰り返している。仕方が無いので、こちらも”コップンカー”と知っているタイ語で応戦。
一通り意味不明な会話をした後、指紋採取の機械に指を置くように指示される。が、これがなかなか読み取れないようで、おじさんが何度も窓口から顔を出しては、ああしろ、こうしろと口を出してくる。潔癖な人なら指を置くのをためらうくらい機械のガラスが油で汚れているので、そのせいじゃないかと思っていたら、「指で頭をこすれ」と言われた。読み取りやすくするために頭の油をつけろということらしい。機械が汚い理由がこれで分かった。
タイのイミグレーション こちらは出国側 |
無事入国し、まずは両替をしようと両替窓口を探す。イミグレーションを出てすぐのところにあったので、すぐ見つかったけど、まさかの土日休みだった。両替窓口は一か所しかないらしい。
両替窓口の近くに一台だけATMがあった。タイのATM手数料はバカ高いという話を聞いていたので、できればATMは使いたくなかったが、手持ちのバーツだけでは少々心もとないので仕方なく必要最小限だけキャッシングしておくことにした。
JCBカードなら手数料がかからないという噂を聞いていたので、念のためJCBを使用。明細を無くしてしまったので詳細は不明だが、結果的に手数料220バーツの表示は出たけど、実際に請求はされていなかった。
タイのATM事情については情報が錯綜していて、何を信じてよいのかイマイチ分からないが、クレジットカードでのキャッシングには手数料がかからないというのが一番信憑性が高いように思う。今回タイでATMを利用したのはこの1回限りなので、JCB以外はどうなのか分からないけど、勇気とお金に余裕のある方は是非検証してみて頂きたい。
友好橋からチェンコン市内へ
イミグレーションを出たところに街中までのトゥクトゥク乗り場があり、すでに一台待機していた。市内まで60バーツ。事前にチケットを購入するシステムなので、ボラれる心配もない。友好橋と市内を繋ぐトゥクトゥク |
待機していた一台目は、ATMでキャッシングするか迷っている間に発車してしまった。すぐに別のトゥクトゥクがやって来たが、5人集まらないと出発しないらしい。
待てど暮らせど誰もやって来ないので、トイレに行ったり、その辺をブラブラしてみたりしながら時間を潰す。トイレは広くて綺麗。
友好橋から次のバスが到着すると、やっと人が集まり出発。チェンライ行きバス乗り場までは20分弱の距離。
バスターミナルに到着したのは、ギリギリ9時になったところだった。待っている間にドライバーにチェンマイまで行くという話をしていたので、到着すると「あのバスだよ」と教えてくれた。道の反対側に停まっていたそのバスは、最初のトゥクトゥクを逃した時点でもうすっかり諦めていたグリーンバスだった。
急いで荷物を担ぎ、猛ダッシュでバスの方へ走って出発寸前のバスを捕まえた。乗ってもいいか聞いてみると、女性の車掌さんに一言「フル」と言われた。乗客は誰も乗っていなかったが、これから乗り場へ移動するところだったらしい。やはり、予約なしでは無理だった。
チェンコン発グリーンバス |
グリーンバスに乗れないことは想定内だったので、チェンコン行きのバスを探そうとターミナルの方へ戻ると、丁度チェンコン行きのバスがやって来て目の前で停まった。
チェンコンーチェンライを往復するバス |
運転手に聞くと10時出発とのことだったので、まだ1時間も時間がある。バスターミナル周辺の売店などを覗きながら時間を潰してみるも、荷物を持ち歩くのがしんどくなってきたので、バスに荷物を置いて目の届く範囲で大人しく待つことにした。
ビワのような果物が売っていた |
トゥクトゥク料金表 |
ローカルバスでチェンコンからチェンライへ
10時前に運転手が戻って来たけど、乗客は私を入れて3組しかいない。出発遅れるかなーと思ったけど、ほぼ定刻にガラガラのまま走り出した。チェンライまでの料金は70バーツ。
途中でもう一人乗って来たけど、その後はチェンライまでほぼノンストップ。
街中を出ると、田舎の風景が広がる。
車窓の風景 |
最後に北部へ来たのはまだ友好橋ができる前だから、かなり昔の話。タイにもまだまだこんなところが残っているんだなぁと思って、何だか嬉しくなった。
結構なスピード出てるけど、何故かドア全開のまま走る。
ロープで固定されたドア |
ローカル感の漂うステッカー |
一度だけ、田んぼのあぜ道でバスが止まった。こんなところで誰か乗って来るのかと思ったら、車掌のおばさんが女の人から袋だけ受け取ってまた走り出した。
女の人が袋と一緒にお金も渡していたので、たぶん荷物のデリバリーを頼まれたのだろう。
デリバリーも兼ねるタイのローカルバス |
単調な風景と、全開のドアから吹き込む風が気持ちよくて、ついウトウトしてしまう。
2時間ほどでチェンライに到着した。
チェンライ第1バスターミナル
到着したのは、チェンライ第1バスターミナル。ここからチェンマイ行きグリーンバスに乗る。何時に到着できるか時間が読めなかったので、最悪乗れなければチェンライで1泊するつもりで事前予約はしなかった。
チェンコン行き時刻表 |
グリーンバスの窓口は人が沢山並んでいて、外国人も多いのですぐ分かる。
グリーンバスチケット窓口 |
窓口の電光掲示板には、乗車可能なバスの時間が表示されている。一番早いバスで13:30分発があったので、時間的にもちょうどいい感じだしラッキーと思って窓口に並んでいると、私の前の外国人男性が”ワンサーティー”と言っているのが聞こえて来て少し嫌な予感がした。
案の定、順番が回って来た時には13:30発は既に売り切れで、次は15:00までないと言う。前の人のが最後の一枚だったようだ。
15:00出発ならチェンマイに着くのは19時頃になる。あまり遅い時間に到着するのも嫌だったけど、19時ならギリ許容範囲かなと考えてチケットを購入。
バスは出発時刻によってXクラスとVIPクラスの2種類あるようで、私が乗ったのは196バーツのXクラス。VIPバスだと305バーツらしい。ネット予約だとデフォルトで保険料が加算されているので、タイ語が読めない人は翻訳して確認してからお支払いするのが無難。
出発までまだ2時間以上もあるので、どこかに荷物を預けられるところはないかと思ってウロウロ探していると、チェー(かき氷)が売っていたのでひとまず休憩。バスに乗る前に冷たい物食べて大丈夫かな?と少し心配になったけど、まだ時間もあるし大丈夫だと自分に言い聞かせて、欲求に従う。因みに、バスターミナルのトイレは有料で3バーツ。
ターミナル内には手荷物を預けられそうなところは見当たらなかったので、今度は売店でパンを買ってベンチで食べながら、時間までどう過ごすか考える。
グーグルマップで近くにスーパーリッチがあることを発見したので、ベトナムドンを両替しなければいけないことを思い出し、行ってみることにした。知らない人のために、スーパーリッチとはレートが良いと評判のタイの両替屋のこと。
チェンライで両替
店の電光掲示板をチェックするとベトナムドンのレートも載っていたので、窓口で手持ちのドンを全部出したら、小さいお金は両替できないと2000ドンと5000ドンのお札だけ返された。残り800000ドンが880バーツ(2023年4月22日のレート)。
ラオスでの苦労はなんだったんだろうってくらい簡単に両替ができてしまったので、やっと両替できたというだけで満足していたが、冷静に考えるとかなり損をしていた。
バスターミナル周辺をブラブラ歩いていると、他にも沢山両替屋があった。どこもスーパーリッチよりレートが良い。見るんじゃなかった...と思っても後の祭り。チェンマイまで行けばもっと良かったかもしれないけど、旅の恥はかき捨ててとっとと忘れてしまいたいので、チェンマイではベトナムドンのレートは見ないようにした。
災難続きのチェンマイ到着
グリーンバスは予定より30分遅れてチェンライを出発した。第2バスターミナルを経由して、チェンマイまでは約3時間半。Xクラスのバスは思ったより座席が狭く、ローカルバスに毛が生えた程度で、ちょっと窮屈。
チェンマイへは予定より少し早く、19時前に到着した。
チェンマイバスターミナル |
バンコクなどに比べると全然ローカルな感じではあるが、久々に都会に来たので大きなバスtターミナルにやや圧倒される。広くてどっちへ行けばいいのか全く分からない。すっかり田舎者になっている。
ウロウロしていると、遠くに赤いソンテウが停まっているのが見えた。手招きしているおばさん(運転手だった)の所へ行って行先を告げると、100バーツとのこと。そこへ、タイミングよく中国人観光客らしき女の子2人連れがやって来た。
行先を聞くと同じ方面だったので、”3人だからもう少し安くして”と交渉する女の子たちを、”頑張れー!”と心の中でエールを送りながら見守る。交渉が難航しているので、私も一緒になって応戦してみたけど、3人がかりでもおばちゃんには敵わず、結局一人100バーツの言い値で乗ることになった。
この日は旧市街に目星をつけている宿があったので、その宿から近そうなスアンドーク門というところで降ろしてもらうように頼んでおいた。女の子たちは途中の立派なホテルで降りて行ったが、その時点ですでに日が暮れて、外は大分暗くなっていた。
女の子たちが降りた後、ソンテウは大通から細い路地に入り、街灯の少ない暗い道を進んで行った。突き当りまで行くと、周りに何もなさそうな真っ暗な場所で降ろされた。
グーグルマップで見る限り、指定した場所とは全然違うようなのだが、おばちゃんは「ここだ」と言い張り、その先の細い道を指して「あっちへ行け」と言っている。
騙されているようでもなさそうなので、もしかすると近道があるのかも、などと考えて取りあえずソンテウを降りた。
暗がりで良く見えていなかったけど、降ろされたところは廃墟になったホテルのような建物の前だった。おばちゃんが示した方へ少し歩いてみたけど、宿などありそうもなく、あまりに暗くて人気もないので、一旦灯りのある大通りへ戻ってもう一度ちゃんとマップを確認することにした。
大通りへ出て再度マップを確認する。いくら極度の方向音痴の私でも分かるくらい、目的地からはかけ離れている。マップを頼りに約1時間ほど歩いて、ようやく目指していた宿に辿り着いた。
後で分かったことだが、降ろされた場所はスアンドーク門ではなく、スアンドーク通りの近くだった。その上、宿から近いのは”スアンドーク門”ではなく、”チャーンプアック門”だったというオチまでついている。兎にも角にも、これでよく無事辿り着けたものである。
ソンテウに乗る時はマップを見せるか、具体的な建物などの名前を伝えるようにしたほうが良さそうだ。
チェンマイ最安値の宿に泊まる
目指していたのはネット上では最安値で出ていた宿。もう少し早く到着できる予定だった
ので、見てから決めようと思って予約はしていなかった。
宿のあるらしき場所まで何とか辿り着きはしたが、そこにあったのは予約サイトで見たのとは違う名前の宿だった。口コミにも書いてあったが、グーグルマップではまた別の名前が表示されている。マップで確認する限り、場所は合っているはずだが、外にも中にもスタッフらしき人が誰もいない。
地元の人らしき一人の男性がやって来て宿の前にバイクを停めたので、宿の人かと思って聞いてみると、全然関係ない人だった。
男性も一緒に中に入って宿の人を探してくれたが、誰もいないので困っている様子。
そこへ上の階から宿泊客らしきカップルが降りて来た。ドイツから来たというそのカップルは、案内された部屋が予約していた部屋と違うので替えてもらいたいけど、同じくスタッフがいなくて困っているらしい。
時間も遅いし、これから他の宿を探すのも大変なのでどうしようかと思っていると、カップルが上の部屋からタイ人を呼んできた。なんだ、スタッフいるやん。と思ったらその人も宿泊客だった。
呼ばれてきたタイ人男性はどこかへ電話をかけると、「もうすぐスタッフが帰って来るからちょっと待ってて」と言って部屋へ戻って行った。宿のスタッフは全員揃って食事に出かけてしまったらしい。ここにいる中で、電話が使える&タイ語が分かるのがこの人だけだったので、ドイツのカップルのチェックインも手伝ってくれたらしい。タイ人てホントに親切。だけど、泊りにきてるのにこき使われて何だか気の毒、そして申し訳ない。
タイ人のもうすぐは全然すぐじゃなかったけど、しばらく待っていると若い女の子が3人バイクに乗って帰って来た。
部屋を見せて欲しいと英語で頼んでみたが、全く通じない。またもや翻訳アプリの出番だ。女の子の独断では判断できないらしく、翻訳アプリ→オーナーに電話→翻訳→電話→翻訳と繰り返した末、ようやく部屋を見せてもらうところまで漕ぎつけた。この時点でもう9時近くになっていたので、部屋はどうでも今夜はここに泊まると内心では決めていた。
部屋はドミトリーと個室があって、ネットで最安値で出てくるのはドミトリーの方。個室でもプライベートバス付で他と比べてもそれ程高くなかったので、個室を選んだ。
予約サイトでは2タイプの個室が掲載されていて、この時点でどちらもまだ空きがあったのに、安い方の部屋は無いと言う。翻訳会話にもホトホト疲れてきたので、突っ込んで聞くのは諦めて、高い方でいいから泊まりたいと言うと、またオーナーに電話して、サイトより高い値段を提示して来た。何でって聞くと、ネット予約以外はこの値段と言うので、その場でネット予約→オーナーの確認待ちという行程を経て宿に到着してから1時間近くかかってようやく部屋をゲットすることができた。ネット予約で350バーツ。
部屋はかなり広く、大きなクローゼットとドレッサーが付いている。バスルームは最後に掃除をしてから長い間放置されてたのか、お世辞にも清潔とは言い難い。ベッドも大きいけど、”シーツにオイルのシミを付けたら罰金”と注意書きがしてあった。
部屋の張り紙に書いてあったwifiが全然繋がらないので確認しに下へ降りたら、女の子たちはまたどこかへ消えてしまってフロントも無人だったので諦める。
まだ開いているカフェがあったので入ってみると、今日はもう片付け終わっちゃったと言われスゴスゴ退散。
外国人観光客が多いエリアなので遅くまでもっと賑わっているかと思ったけど、夜の旧市街は意外に静かで暗かった。
少し先のコンビニまで行ってみると向いにロッティ(パンケーキ)の屋台が出ていたので、コンビニで水だけ買ってロッティを食べて宿に戻った。
着いた早々トラブル続きでドッと疲れたけど、いよいよ明日は最終日。”終わりよければ全て良し”といきたいところだけど、どうなることやら....。続きはまた次回。
まとめ
4月22日 土曜日
チェンコン~チェンライ~チェンマイ 移動と滞在費
第4友好橋~チェンコンバスターミナル トゥクトゥク:60B
チェンコン~チェンライ ローカルバス:70B
チェンライ~チェンマイ グリーンバス:196B
チェンマイバスターミナル~市内 ソンテウ:100B
チェンマイ宿泊費:350B
食費:168B
TOTAL:944B≒3800円
・タイーラオス 第4友好橋からチェンマイ到着までにかかった時間:約11時間(待ち時間含む)
・タイ側イミグレーションの両替窓口は土曜日休み。ATMは1台あり。JCBカードでのキャッシングは手数料220Bと表示されるが請求は無かった。
・友好橋からチェンコン市内までトゥクトゥク60バーツ。5人集まったら出発。
・チェンコンからチェンライへローカルバスで約2時間、70バーツ。乗り場はターミナルの隅っこにあり、やや分かりづらい。
・チェンライバスターミナル近くのスーパーリッチは周辺の両替所よりレートが悪い(ベトナムドンからタイバーツ)。両替所は徒歩圏内に沢山ある。ベトナムドンの両替はどこでも可能。
・チェンライからチェンマイへグリーンバスで約3時間半。バスのクラスによって料金と仕様が変わる。Xクラスは両側2列席で196バーツ。時間が分かっている場合は事前のネット予約が便利。デフォルトの保険加入設定には要注意。出発は遅れることもある。
・チェンマイでソンテウに乗る時は地図上で目的地を示すか、分かりやすい建物などの名前を具体的に伝えるのが無難。土地勘が無いと遭難の恐れあり。
・チェンマイの宿は、同じ部屋でもネット予約と飛び込みで料金が変わることがある。
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